NEWSページの過去ログ 2020年7月
昨日(2020年7月16日)の午後に時間が空いたので、四万温泉から野反湖まで移動してノゾリキスゲの様子を見てきました。何度か記していますが四万温泉と野反湖は車で1時間ほどの距離になります。
湖面を見渡す富士見峠に車を停め、そこから野反湖南面に向かって遊歩道をしばらく歩くと斜面一面に黄色い花が咲き乱れていました。今が見頃といった趣きですね。午前中は良かった天気も午後には徐々に崩れ始め、到着した頃は薄日のさす程度でしたが、雲の切れ間から日が当たるのを待って撮影してみました。
この野反湖ではノゾリキスゲと呼んでいますが全国的にはニッコウキスゲの名称で知られていますね。正式名称はゼンテイカ(禅庭花)、キスゲ亜科の多年草です。周囲には他にもヤマハハコグサやハクサンフウロ、アヤメやノアザミ、トラノオ、シモツケソウなど咲き揃って夏の高原の雰囲気が盛り上がっていました。
この季節、四万温泉周辺の里山、特に日があまり当たらない林に囲まれた遊歩道などを歩いていると時折見かける「ギンリョウソウ」。キノコの仲間のようにも見えますが、ツツジ科ギンリョウソウ属の多年草です。成長すると15cmほどになるのですが、この個体は成長途中のようでまだ7cm位でした。その白い見た目から「ユウレイタケ」とも言われています。お察しの通り葉緑体を持たない植物なので光合成はできません。養分は地下茎より菌類を経由して取り込み成長するという変わり種で、菌類とは共生関係にあります。このようなタイプの植物を総称して腐生植物と呼ぶそうですが、実に興味深いですね。
周りの風景ばかりでななく、時には足元にも目を向けながら、四万温泉のフィールドワークを楽しんでみませんか?